29年度補助金は? 省エネ住宅の新基準「ZEH(ゼッチ)」とは

家づくりを考えていると「ZEH(ゼッチ)」という言葉を見聞きします。
「エネルギーゼロで暮らせる」、「未来の家」、しかも補助金も出るらしい…のですが、いったいどんな家で、建てるメリットは何なのでしょうか。
「ZEH」をわかりやすくご紹介します!

この記事でわかること

  • 「ZEH(ゼッチ)」ってどんな家?
  • 「ZEH」で補助金がもらえる?
  • 断熱性が高い家
  • 効率性の高い機器を使う家
  • 太陽光発電システムでエネルギーを創る家
  • 「ZEH」は家計面でもメリット大!!

「ZEH(ゼッチ)」とはこんな住宅

「ZEH(ゼッチ)」とはネット・ゼロ・エネルギー・ハウスの略で、年間での一次エネルギー消費量※注 が正味(ネット)で0(ゼロ)になる住まいのこと。
わかりやすく言えば、使うエネルギー量よりも創るエネルギー量が上回る住まいです。

ZEHとは

昔の家は電気もガスもなく、エネルギー消費量と環境の負担が少ないのはいいのですが、暑さ・寒さは我慢するしかありませんでした。
それに対して現代の暮らしや家は快適で便利な一方、多くのエネルギーを消費します。

そこで
・快適さや便利さを保ちつつ省エネ化を図り、限りある資源を大切にしよう
・必要な量のエネルギーは、環境負荷がない形で創り出そう

という背景から生まれたのが「ZEH」です。

※注 一次エネルギーとは
化石燃料、水力・太陽光など自然から得られるエネルギーのこと。これらを変換・加工して得られる電気・灯油・都市ガスは二次エネルギーという。
家庭では空調・給湯・照明・換気など二次エネルギーが多く使われるが、それぞれ異なる単位(kWh、ℓ,MJ等)でそのままでは「使う」と「創る」のエネルギー収支を計算できない。そこで、それぞれを一次エネルギー消費量に換算した上で収支を計算する。これによって、住まいの総エネルギー消費量をひとつの単位(MJ:メガジュール、GJ:ギガジュール)で表すことができる。

「ZEH」で補助金がもらえる?

2017(平成29)年6月現在、ZEH住宅には国による補助金が出ています。
予算が終わらない限り平成29年度は第四次公募まで予定されています。
下記は公式サイト「平成29年度 ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)支援事業 _ SII 一般社団法人 環境共創イニシアチブ Sustainable open Innovation Initiative.html」で掲載されていた公募についての現状の引用です。
最新で正確な情報については公式サイトで確認してください。

現在の日本の住宅寿命は30年程度とされています。これは世界的に見ても短い寿命です。
資源も時間ももったいないので、日本政府は、この住宅の寿命を延ばす方向でいろいろな施策を進めています。
そのため、リフォームや長持ちする新築住宅に対する補助金も続きそうですが、実はZEH補助金はそもそも2016年度で打ち切られる予定でした。
しかし、ZEHに関しての国の方針は「2020年までに新築住宅の50%をZEH住宅に」ということですし、後で述べるように、家計にもメリット大で、性能の良い住宅にお得に住めるZEHは建てる検討をするのに十分値します。
補助金の継続は不明なものの、住宅メーカー各社はZEH住宅の普及に向けて、キャンペーンや低価格化などの手を打っていますから、ZEHをお得に建てられる可能性があります。
省エネ住宅を考えているなら、迷わず各社のキャンペーン情報をチェックしてくださいね!

断熱性を高めて消費エネルギーを減らす

ZEHを建てるポイントについても押さえておきましょう。

まず、快適性を損なわずにゼロ・エネルギー化を実現する方法。
ひとつ目のポイントは断熱性能を高めることです。
夏の暑さや冬の寒さを屋内に伝えず、また冷暖房の熱を逃がさない家であれば、使うエネルギーの量を抑えられますよね。
住まいの断熱

住まいの断熱性は、かつてはC値やQ値という数値で表していましたが、現在ではより正確な断熱性を表すUA値(外皮平均熱貫流率)という数値を使います。
この数値が小さいほど断熱性に優れた住まいです。
現在、2020年義務化予定の省エネ基準では断熱性能の基準がUA値=0.87であるのに対し、ZEHでは0.6以下が求められます(「平成28年度 ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス支援事業」における補助金の基準/4~7地域の場合)
断熱性を高めるためには、壁だけでなく、天井、床、そして熱の出入りが最も大きい窓などの開口部も断熱仕様にする必要があります。
UA値って何?省エネ住宅手始めは「断熱」!

効率性の高い機器も省エネ化に有効

家庭でのエネルギー消費を減らす上で、もう一つ有効な方法が、住宅設備の省エネルギー化です。
例えば「高効率エアコン」を採用して冷暖房効率を高めるといった具合です。
でも実は、家庭で消費するエネルギーのうち暖房は約25%、冷房はたった2%程度。
それに対して、より多くを消費するのが給湯で、さらに全体の1/3以上を占めるのが照明や家電品なのです。
つまり、お風呂などの給湯設備や照明にも省エネ機器を採用することで、さらにエネルギー消費を減らせるのです。
また、使う電力を見える化し、効率的で賢く使えるように「HEMS」(ヘムス/ホーム・エネルギー・マネジメント・システム)を採用することも使うエネルギーを減らすうえでは大切になります。

ZEHの省エネ機器

 

創るエネルギーは、太陽光発電システムで

とはいえ、現代の住まいでは使うエネルギーをゼロにすることはできません。
ZEHを実現するには、使う量を賄う分のエネルギーを創り出さねばなりません。
そこで、一般住宅でエネルギーを創り出すものとしてもっとも普及しているのが「太陽光発電システム」です。
発電量が大容量になるほど導入コストが高額になりますが、家の断熱性と省エネ化を高めれば、少ない搭載量でもゼロ・エネルギーを達成することができます。

太陽光発電システムで創った電力は、家で使うエネルギーを賄いつつ、余った電力は売ることができます。
また太陽光発電は、自然にあるエネルギーを使い、石油における二酸化炭素のような環境に負担をかける排出物もありません。
まさにエコロジーの観点からも◎なシステムなのです。

 

太陽光発電システム

「ZEH」の家計面でのメリット

エネルギー・ゼロの家は、当然、使うエネルギーが少ないので光熱費が非常にオトクです。
ZEHにしたら光熱費が1/3になったといった例もあり、プランによっては10年間で200万円以上、光熱費が安くなる試算もあります。

クレバリーホームの事例では、1992年(平成4年)の省エネルギー基準の住宅と比べ「ZEH」では60%も冷暖房費が削減できたケースもありました。

国としても、2020年ZEH標準化の目標達成のために、平成29年度も補助金制度を実施しています。
平成30年度以降の補助金については未定なものの、このページで解説した内容に関してはお近くのクレバリーホームでご説明できます。
お気軽にお問い合わせください。
最新情報も取り入れて、お客様のご要望に応じたプランをご提案します。

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