「境界線」のルール「外壁後退」「民法234条」とは?

公開日: : 最終更新日:2017/01/10 土地と法律 , , , , ,

住宅街では、隣家が敷地のすぐ近くに立っていることも多いもの。「お隣さん」と良い関係を保つために、知っておきたい境界関係のルールについてまとめます。

このコラムでわかること

  • 「外壁後退」について
  • 「民法234条」について
  • まとめ

家は敷地いっぱいに建てていい?

お隣の家との距離は、近すぎると気になりますね。
一方で、とくに敷地に余裕がない場合などは少しでも家を広げたいのも人情。
敷地境界線に対してどれくらいまで家を建ててよいのか、法律では決まっているのでしょうか。

家を建てる時の最も重要な法律の一つ、「建築基準法」を見てみましょう。

建築基準法は、国民の命や健康、財産を守るために、建築物の敷地や構造、設備、用途に関する最低の基準を定めたもの。
住宅はこの建築基準法で決められた通りでなければ建てられませんし、万が一、違反が発覚した場合は罰せられます。

この建築基準法には、用途地域「第一種、第二種低層住宅専用地域」を除き、境界線に対して建築物はどこまで、という決まりはありません(→「住居専用地域」「住居地域」どう違う? 住居系用途地域を徹底解説)。
さらに、防火地域、準防火地域内の場合は、外壁が耐火構造であれば境界線に接して建ててもよいとされています。

第一種、第二種低層住宅専用地域を対象としたこの規制は「外壁後退」と呼ばれます。
後退距離は1mまたは1.5mですが、これは都市計画によって定められるため、指定がない自治体もあります(ただし地区計画に基づく条例で壁面位置が指定されている場合があります)。

【図】外壁後退

ここまで読んで「うちは規制外の土地。敷地ギリギリに建ててもいいんだ!」と思った方、もう少しお待ちください!

民法では「境界線から最低50cm離す」

実は民法234条では「境界線から50cm以上の距離を離さなければならない」と決まっているのです。

建築基準法と矛盾しているようですが、236条で「上記と違う慣習がある場合はそれに従う」とも書かれています。
つまり、建築基準法に準じて境界線ギリギリに建ててもいい(=それを慣習として許容し合っている)という場合もあれば、50㎝よりもさらにゆとりが求められる、という場合もありえます。

このほかにも、民法235条では、境界線から1m未満の距離で他人の宅地を見通せる窓や縁側、ベランダには目隠しを付けなければならないと決められています。

民法は市民どうしの決まりごとについて定めた法律ですから、建築基準法違反の時に受けるような、国や自治体からの罰則はありません。
しかし、仮に隣人から訴えられれば計画を中止したり、損害賠償を支払ったりと大問題になってしまいます。
つまり「建築基準法に違反していないからいい」とは簡単に言えない、ということなのです。

なお、直接の規制ではありませんが、前々回お話した「高さ制限」「斜線制限」(→家の「高さ」にも制限がある?! 土地の「斜線規制」をチェック!)によって家の位置が結果として後退することもあるので覚えておきましょう。

まとめ

家づくりは自分が思うよりも、近隣の環境に大きな影響を与えるものです。
「訴えられては困る」「自分に有利に」という発想ではなく、良好なご近所づきあいのためにはどういう家にするべきかという視点で計画するのがベストです。
また、お互いの合意があれば民法の限りではありませんから、それしか解決法がない場合などは専門家に相談のうえ、ご近所とお話してみてくださいね。

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