防音室は「遮音」の他に「吸音」も大事! 防音室の基礎知識③

自宅で思いっきり楽器を弾きたい、ホームシアターが欲しい。そんなあなたにぴったりな「防音室」について基本を解説するシリーズ、今回は「吸音」について学びます!

この記事でわかること

「吸音」とは?


前回は防音室のために必要な「遮音」について解説しました(前回記事はこちら→防音室の「遮音」とは? 遮音性能はどれくらい必要? 防音室の基礎知識②
簡単にまとめると、
①音を遮ることを「遮音」という
②遮音材の質量が重いほどその能力は高い
③外に漏れてよい音の大きさの基準があり、最低限それに合わせた遮音性能が必要

ということでした。

基準にのっとり音をしっかり遮りさえすれば防音室として完璧に思えます。
ですが実は防音室には「遮音」とセットで必要なものがあります。
それが「吸音」です。

大掃除の後の部屋で、いつもより音が響いて聞こえた経験はないでしょうか。
これは壁や天井に跳ね返った音を吸っていた家具やモノがなくなり、普段は吸われて消えていた音が響いているからです(残響)。
防音室をつくる目的は主に音そのものを楽しむことですが、不要な残響があると、歌っても楽器を弾いても「なんとなく気持ち悪い」「弾きにくい・歌いづらい」感じになってしまうのです。

つまり防音室を作るときには遮音した後の音を吸う機能=「吸音」機能もきちんと設計する必要があるのです。
「遮音」と「吸音」がセットで「防音室」は完成します。

「吸音」レベルの調整=「調音」

防音室の目的が仮に楽器を心おきなく弾くことだった場合、先ほどお伝えしたとおり吸音措置をしなかった部屋は、音が残響し弾きにくくなります。
一方で、吸音措置を最大限施した部屋で楽器を弾いた場合はどうでしょうか。
今度は音がほとんど吸収され、いわゆる「(音の)かえり」がなくなります。
そうなると自分がどんな音を出しているかがわからず、たいへん弾きにくくなってしまいます。
このような響きすぎ、響かなさすぎの間で最も快適、適切になるよう吸音レベルを調整することを「調音」と言います。

音の響きには「ライブ」「デッド」がある


調音では「ライブ気味」「デッド気味」という用語が出てきます。
ライブとは音の響きが長い状態、デッドは音の響きが短い状態を表し、防音室の使用目的によって向くタイプが分かれます。
部屋で手を叩いてみて、音が残る時間を残響時間と言いますが、この時間が長いほどライブ気味、短いほどデッド気味です。

カラオケのエコーをイメージしていただくといいのですが、歌も演奏も少し響きがある方が上手に聞こえるため、オーディオでオーケストラを聞いたり、趣味で楽しく演奏したり歌ったりする場合はライブ気味がおすすめです。
一方で、プロ演奏者が自分の技術を確かめるような場合、ロックバンドやジャズなどの場合、ドルビーシステムで立体的な音作りをしたいというような場合は響きのない空間が向くため、デッド気味に作ります。

まとめ~防音室は「遮音」+「吸音」。せっかく作るなら計画的に~

吸音レベルの調整もとても大切だということがお分かりいただけたと思います。
室内の音の響きを調整するには、どんな資材をどのように施工していいか計画する専門家の助力が必要です。
ぜひ、構想段階でハウスメーカーに相談してみてくださいね。
クレバリーホームでは皆さんの趣味に応じて防音室をご提案しています。
今回使用した写真も、すべて実例です。各支店でみなさんのお越しをお待ちしております!

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