ご自身の住まいの「換気」がどうなっているか、皆さんはご存知でしょうか。
あまり目立たない換気システムですが、健康的で快適な住まいを支えるには欠かせない、重要なポイントなのです。家づくりが進化するとともにさらに重要視されているこの換気システム。
基本的な考え方をおさえて、健康的で快適な家づくりに役立てましょう!
- 現代の住まいこそ換気が必要
- 住宅の換気方法は3タイプ
- 全熱交換型なら換気と省エネも両立できる
住宅の「換気」はなぜ必要?
今回のテーマ「換気」の本題に入る前に、ちょっと昔の暮らしを覗いてみましょう。
時は元禄の夕暮れ、江戸のある長屋で、熊さん、八っつぁんが火鉢に覆い被さるようにしながら、差し向かいで何か話しています。
「こうピシッと閉め切っているのに、どこから風が入ってくるんだか…。寒いったらありゃしねぇや」とクマさん。
「寒いよりひもじいほうが我慢ならねぇや。おっ、隣の晩めしは魚だな。旨そうな香りがたまらねぇなぁ」とハっつぁん。
当時の家は、断熱材は使われていないので、壁ぎわにいると冬は寒いし、夏は暑い。閉め切っても建具や壁に隙間があるため、暖気は外に逃げてしまいました。でもそのお陰で、閉め切った部屋で火器を使っても一酸化炭素中毒になる心配なんていらなかった。つまり、意識せずとも換気が行われていた住まいだったのです。
一方、現代の住まいは、寒さや暑さで苦しまずに済むよう、熱や空気の出入りが極力ないようにし、国を挙げて住宅の高気密化・高断熱化を進めてきました。
しかし、高気密・高断熱というほぼ密閉された家であるがために、体調不良や病気を引き起こす深刻な事情が生じてしまいました。例えば、建材や家具から、防虫目的で染み込ませてある有害な化学物質が放散され、室内にこもったままになって、時間とともに濃度が増したり、睡眠やくつろぎなど長い時間家にいることでアレルギーを引き起こす、といった現象です。いわゆる「シックハウス症候群」です。そこで注目されたのが「換気」というわけです。
国もこうした状況を憂慮し、閉め切った状態でも空気が入れ替わるよう、24時間、強制的に換気する仕組みの設置を義務化しました。また、家の中の空気が2時間でまるごと入れ替えられる能力を備えた換気装置でなければならないとしています。つまり、計画的に換気できる家でなければ建てることはできません。
住宅の換気方法は3タイプ
換気の方法には以下の4種類があります。そのうち計画的な換気ができるのは、機械(ファン)で強制的に給気や排気を行う3種類です。
■換気の種類
第一種換気
給気・排気ともに機械で行う換気方法です。想定した通りの換気ができます。給気と排気を別々の場所で行う「分散型」、給気と排気を一か所で行い、ダクトを伸ばして各部屋の換気をする「集中型」があります。
第二種換気
給気を機械で強制的に行う換気方法です。室内の気圧が屋外よりも高くなるので室内に塵やほこりが入りにくく、病院の手術室や精密機器製造工場などで採用されています。一方で壁体内結露が起こりやすいなどの問題もあり、一般の住宅ではほとんど採用されていません。
第三種換気
排気を機械で強制的に行います。もっとも一般的に行われている方式です。しかし、この方式で計画通りの換気を実現するためには、とても高いの気密性能が必要です。また風の強い日や上下階の温度差がある場合は換気性能が左右されます。
自然換気
窓やドアなど開口部を開放して行う換気方法です。換気量は気象条件により大きく影響を受けるため、計画的に換気したり、適切な換気量を確保したりすることはできません。
全熱交換型なら換気と省エネもできる
実は換気によって、かえって快適性が損なわれる可能性もあります。一つめの問題は、外の空気を取り入れることで、その中に含まれる花粉やPM2.5等の有害物質が室内に侵入してしまうこと。二つ目は、換気した空気とともに冷暖房の熱が外に逃げ、外の寒さ・暑さが侵入してくることです。
一つ目の問題に対しては、給気側にフィルターが取り付けることで対応できます。実際、フィルターの性能に差はありますが、現在の多くの換気システムがそうなっています。でもフィルターでは熱の出入りを抑えることはできません。
2時間に1回は空気を入れ替える
そこで登場したのが「全熱交換型」と呼ばれる換気システムです。具体的には、まず屋外に排出する空気から熱だけを回収します。次に、この回収した熱を、取り入れた外気に移し、室内に送り込む、というものです。外の寒気や熱気を室内に入れずに新鮮な空気だけを取り込み、室内の冷暖房による快適さを逃さずに汚れた空気だけを排出する、という優れた換気システムです。また、熱ロスが少ないので、冷暖房費も大幅に節減でき、住まいの省エネにも大きく貢献します。
■全熱交換型換気システム
環境性能で、病気の発症確率も変わります!
気密・高断性の高い現代の住まいでは、換気性能は健康や快適性に直結する重要な要素であることはおわかりいただけたと思います。そこで見てほしいのが、下図のグラフ。実際に住まいの環境性能が病気の発症確率を左右することが、研究結果として出ています。
■高性能住宅は病気の発生確率が低い
なお、クレバリーホームの住まいは、優れた断熱・気密性を備えているだけでなく、全熱交換型の換気システムが標準仕様。快適で経済性にも優れた住まいをお届けしています。ご家族の健康やお子様の成長にしっかりと配慮した住まいをお考えなら、ぜひお近くのクレバリーホームを気軽に訪ねてみてくださいね!
クレバリーホーム 公式HP
http://www.cleverlyhome.com/

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