防音室の「遮音性能」はどれくらい必要? 防音室の基礎知識②

自宅で思いっきり楽器を弾きたい、ホームシアターが欲しい。そんなあなたにぴったりな「防音室」について基本を解説するシリーズ、今回は「遮音」について学びます!

この記事でわかること

「遮音」とは?

防音室を考えるとき、まず最初に理解したいのは「遮音」についてです。
「遮音」はその通り「音を遮(さえぎ)る」という意味。
ある一つの部屋に自分がいたとして、そこで出した音が隣の部屋に伝わらなければ「遮音が完璧」ということになります。
遮音性能は音を遮る物体(この場合であれば壁)の質量が高いほど大きくなります。
例えば、比重の軽い綿と、比重の重たい鉛とでは、同じ厚みの場合まったく遮音性能が違います(質量が高い鉛の方が遮音性能に優れています)。
実際には木材やコンクリートなど一般的に建築に使われる材料のほか、上記の鉛シート等専門に作られた遮音シートが使われています。

ピアノを夜も弾きたいなら、どれくらいの遮音レベルが必要?

まず、家の外に漏れてよい音の大きさについて知っておきましょう。
細かくはその地域ごと(自治体ごと)に違うのですが、外に漏れてよい音の公共的な環境基準は以下の通りです(環境省サイトより引用)。

ここでいちばん厳しい基準値は、昼間(午前6時から午後10時)で50デシベル(以下db)以下、夜間(午後10時から翌日午前6時)で40dbですね。

次に、自分たちが出す音の大きさを考えます。
一般的には普通の話声で約60db、怒鳴り声だと約90db、アマチュアのピアノの音は約90db、トランペットだと約120dbくらいとされています。

とすると、例えば趣味のピアノを夜も気にせず弾きたい、ということなら
(出す音)90db-(外に漏れてもよい音)40db=(遮りたい音)50db
となるので、遮音性能は50db以上必要、ということになります。
日中だけしか弾かないのなら外に漏れてもよい音は50dbなので、遮音性能は40dbでOKですね。

ただしこの基準値はあくまで最低基準です。
ご近所の方の感覚や、防音の施工状態などによってはもっと遮音性能を上げる必要性が出てきますのでご注意ください。

「防音」は「遮音」+「吸音」で考える!~

ここまで「遮音」について説明しましたが、実は防音室は遮音だけでは完成しません。
というのは、音には跳ね返って響く性質があるからです。
大掃除の後などのガランとした部屋で、いつもより音が響いて聞こえた経験はないでしょうか。
これは壁や天井に跳ね返った音が残響として残っているからです。
そのため、部屋の内部では、遮音した後の音を吸う機能=「吸音」機能が必要です。
「遮音」+「吸音」で、「防音室」は完成するのですね。
この「吸音」については次回の記事で詳しくお話したいと思います。

まとめ~防音室は一部分だけでなく「全体」で考えるのが重要!~

もう一つ、外への騒音が問題ならば外に面した壁だけを遮音すればよいのかというと、そうではありません。
一部分だけの遮音ではそれ以外のところから音が漏れます。
そんなわけで、防音室は、部屋全体で遮音レベルをそろえることが基本になります。
壁や天井はもちろん、重要なのは窓や換気口という開口部。
こういった部屋全体での考え方を今後も紹介していきますのでぜひ引き続きお読みください。
音を上手にコントロールできる家づくりは、ぜひクレバリーホームにご相談くださいね!

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